第76回 ファシリティマネジメント
第76回:「ファシリティマネジメントって何?!」

第76回:「ファシリティマネジメントって何?!」

2014年11月25日(火)午後7時から「ファシリティマネジメント」を知りたい、今課題に直面している、企業経営者、団体職員、NPO代表、自治体職員、中小企業診断士、ジャーナリスト、ビジネスパーソンなど17名の場づくり人が集い、対話しました。(感謝!) 詳細はこちら

 維持から運営の時代へ―。バブル時代に急増した施設が重荷になり、いわゆる「ハコモノ行政」に象徴される自治体運営が行き詰まりをみせる中、その解決策として、ファシリティマネジメント(FM)という経営管理方式が今、官民を問わず注目されています。ハコモノは作って終わりではなく、その維持管理をどうしていくのかに重点を置いた発想の転換が求められています。
 今回は、日本ファシリティマネジメント協会で活躍する似内志朗さんを招き、まちづくりに欠かせない「ファシリティマネジメント」とは何かを伺いました。
 

◎第76回:「ファシリティマネジメントって何?!
             ~ハコモノづくりで終わらせない、運営・維持活用の発想転換~」
   ☆ゲストスピーチ&質疑応答  似内 志朗(にたない・しろう)さん
     (公益財団法人日本ファシリティマネジメント協会 ユニバーサルデザイン研究部会・部会長)

人結びの場
【自己紹介】
 私は1984年に郵政省に就職し、郵便局やメルパルク、病院、さいたま新都心などの建築設計を担当していました。2001年ごろには公社化を前にして霞ヶ関官庁で最初のファシリティマネジメント組織の立ち上げに携わり、それ以来、日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)の関わりができ、現在に至っています。仕事では、2003年公社化以後、新規事業分野立ち上げで企業提携・事業開発を担当し、その後から現在にかけては郵政グループの不動産開発事業を担当しています。

【建築はユーザーのために存在する】
 建築(ファシリティ)は、当たり前ですが「つかう」ためにある。「つかう側(ユーザー)の視点で考えることが重要です。例えば建物を作るときはみなの注目を集めますが、その後の「つかう」期間は長い。だから、建てて、使い、壊すまでの期間=ライフサイクルという考え方が必要不可欠です。

【建築を経営の視点で見る】
 経営者(企業・公共)ならどう考えるかというと、ファシリティを経営資源ととらえ、その価値を最大化するのが、ファシリティマネジメント(FM)の定義です。
 つまり、安くて(建築コスト、運用コストLCC)、稼げる(利益、生産性、CS)、ファシリティ(土地、建物、設備、家具什器、環境、情報システム等)がほしい。

 ファシリティマネージャーは、経営者の代行者。建物は経営のためにあります。LCC(ライフサイクルコスト)=初期コスト+運用コスト+廃棄コストを考える必要があります。

【経営とファシリティマネジメント】
 経営において、FM(モノ)は人事(ヒト)・財務(カネ)・情報システム(情報)に加えて第4の経営資源です。FMサイクルは、「評価(知る)」「戦略・計画(考える)」「プロジェクト管理(つくる)」「運営維持(つかう)」ことで「統括マネジメント(しくみ)」されています。FMはこれまでとりわけ日本ではあまり関心を払われてこなかったがゆえに、非効率な部分も多く、まさにこれから重要性を増す分野であると思います。

【なぜ今FMが必要か】
経営を取り巻く変化により、FMの導入が日本の経営にとって必要です。なぜなら右肩上がりの世の中では施設が増える一方なので矛盾は出にくいのですが、右肩下がりの縮小局面では、施設の統合、縮小を進めていくので、縦割り事業部ごとの管理では全体最適化が難しく、横串を通す必要があるのです。
*経営環境変化による施設コスト低減と生産性の向上要
*経営グローバル化と競争激化
*産業構造の変化
*情報化(IT)の飛躍的進展
*アウトソーシングの必要性

【ファシリティマネージャーとは何か】
 組織体の全施設及び環境(ファシリティ)を経営的視点から総合的に企画・管理・活用する経営管理活動に関わる専門家です。社会・環境・状況に対応した、経営者の代行であり、社内関係者との調整、利用者へのサービスを提供し、サプライヤー企業との発注・契約・マネジメントを行って、機能的なファシリティを継続的に供給しています。

【FM視点から公共インフラを考える】
 現在、国民4人に一人が65歳以上。出生率1.41。2030年には生産年齢人口は-12%減少、働く人の多様化は+9%。インフラ・公共施設の更新コストが増加し、2011~2060年(50年間)で必要な更新費は約190兆円。2037年に、維持管理・更新費が賄えない可能性があります。

 また、まちづくりと社会資本政策では、笹戸トンネル事故以来、危機感を持った政府の主導で、コンパクトシティ、スマートシティ、社会資本整備、アセットマネジメント、インフラ(公共施設・インフラのマネジメント)が進行しています。

 公共施設マネジメントの転換が必要です。各部署の縦割で保有と使用の一体化(部分最適/ムリ・ムダ)であったものが、目的と手段で保有と使用の分離(全体最適/組織横断的)を図る横串を通したマネジメント体制へ変えていくことが必要です。  

 企業でもまだ不十分なFM導入ですが、公共施設の場合は、特に人口縮小で税収も少なくなっている自治体で待ったなしの状況です。インフラとハコモノ全体を通して把握し、その規模を縮小すること、そもそもの行政の目的を見直し、そのサービスに施設は本当に必要か、その規模は本当に必要か、単独で施設を持つ必要があるのか、を根本的に考え直す必要があります。そうでなければ、全体コストを持続的に縮小していくことは難しい。それはまち全体で見れば、可住領域を設定するということも避けられないことが想定され、今後の「まちづくり」の問題でもあります。こうした面でも、FMの視点が必要不可欠です。

◇人むすびカフェ  ファシリテーター  高重和枝
 今日のお題は、「ファシリティマネジメントで何をどう解決できるでしょうか?」感想を一部、紹介します。

・横串がなぜ必要か。使う側の視点に立つことで分かるはず。
・解体することを考えてから作るべき。そもそも何のために建物があるか考え直すべき。
・FMにはビジョンが必要だと思いました。
・時代とともに価値観の変化があり、ライフサイクルコストの観点も評価されるように  なった。
・目的を達成するために本当にその施設、設備は必要なのか。
・専門組織を作ることが必要
・所有-共有-シェア   等


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