第91回 こどもを支える
第91回 こどもを支えるネットワークづくり~「こども専門家アカデミー」のこれから

第91回 こどもを支えるネットワークづくり~「こども専門家アカデミー」のこれから

2016年2月19日(金)午後7時から「こどもを支えるネットワークとは?」「こども専門家アカデミーって?」「山口先生の思いを聴きたい!」経営者、自治体職員、教員、NPO職員、団体職員、行政書士、保育士、ビジネスパーソン、メディア関係者、音楽家、振付家、コンサルタント、コーチ、など28名が集い、対話しました。(感謝!)詳細はこちら

◎第91回:「こどもを支えるネットワークづくり
             ~「こども専門家アカデミー」のこれから」
               
     ☆ゲストスピーチ&質疑応答   山口 有紗(やまぐち・ありさ)さん
          (茅ヶ崎市立病院小児科医、こども専門家アカデミー)
               https://www.facebook.com/academykodomo
        

人結びの場
【人生のミッション】
 「こどもとその周りで支える人々が、少ししんどい時にこそ、がんばらなくてもいい社会を実現すること」

【自己紹介】
 普段は市立病院で小児科医をしています。病院の外に出て医師として社会でなにができるかがとても大切と思っているので、講演をしたり、地域の勉強会に出たり、たまにテレビに出たりします。「今日の診察室」というブログも始めました。

 私自身の原点は・・15歳で不登校になり、ひきこもりになり、家族ともいろいろあって16歳でひとり暮らしをはじめ、高校も高2の始めに中退しました。その後、17歳の時に9.11同時多発テロがあり、日本で引きこもっている場合ではない、その現場を生々しく感じられる場所に自分の身を置きたい、と考えて、単身でロンンドンへ引っ越しました。

 その先でも何か人の役に立ちたいという想いは中卒家出浮浪少女なりにあって、インド人の病院でボランティアなどをして過ごしました。

 そのなかで自分の立場を見直さねばと思うようになり、お金も無くなったので日本に帰りました。直感的に西へ行こう!と思ったのと日本の伝統がありそうで京都へ。その後、京都で働き、大検を受け、大学に入り、その後医学部に入り直しました。

 このでこぼこした半生のなかで、私は本当にいろんな人に迷惑もかけたし助けてもらいました。いろんなこどもや大人に、10代なかばの多感な時期に出会うことができました。

【3つの障壁】
 貧困、家族の絆の希薄さ、虐待、離婚、暴力など生きにくさを抱えている人がたくさんいますが、社会でhappyに生きることを阻む3つの障壁があると感じ、問題意識の根源になったのです。

 第一に、きっかけの障壁。福祉サービスや他者を頼るという選択肢に乏しく、情報格差と低学歴・ひとり親・施設入所などの方はよそを頼ってはいけないというようなプレッシャーみたいなものがあります。

 第二に、アクションの障壁。人や社会のシステムに頼ろうという気になったとしても、窓口が多く煩雑、民間の機関もあれば公的サービスもある。平日に役所に行けない。たらいまわし、同じことを何度も聞かれることもあり、適切なサポートに至る前に、こんなに大変ならもういいや、と思うのは容易です。

 第三に、継続の障壁。サポートを受け続けるのにもエネルギーがいります。更新の手続きはもちろんですが、ちょっとしたつまづきに対して、そんなに強い人たちではない人たちが困難な状況に陥っているのです。

【実現のため何が必要か】
 医師になって、現場で気づいたことがありました。こどもがいのちを授かってから成人になるまで、いろんな仕組みやかかわりうるアクターがあるのだけれど相互に連動していないので、本人たちが結局がんばってそのなかで余計にもがくという構造です。

 理想の仕組みは、こどもにかかわる様々な資源が「タテヨコナナメにワンストップで」つながり、有機的に協働できるプラットフォームをつくることが必要だと思います。

 前提条件として、①こどもにかかわる既存の仕組みをまず可視化する(なにがあるのか)、 ②互いをよく知ること、③がんばれる人を発掘して活かすつまりだれがこの仕組みの中に参加していくかということです。がんばりの貸し借りというかペイフォワードというか, そういうのができることが実現には必要だと思っています。

【こども専門家アカデミーの活動】
 こどもと家族が幸せになるために利用できる資源として「何があるのか」、そのなかに「誰がいるのか」、その人々が「どうしたら相互作用を生み出せるか」を明らかにしたい。そう考え小さな一歩として、2014年より「こども専門家アカデミー」と称して、保育士、小学校教師、療育、心理士、弁護士、児童精神科医、小児科医などが集う場所作りを始めました。

 現場での課題を話し合い、こどもに関わる専門家たちが自分たちでチームを組み、課題解決ができる、それぞれが手をつなぎ、こどもたちによりよい社会づくりをしていくためのコミュニティです。親子も一緒に参加したり、asobi基地とのコラボレーションも行っています。茅ヶ崎でも開催してきました。

【チャイルドライフの理念】
 子どもに関わる全ての人に共通するものではと思います。
・「病人」や「患者さんの子ども」である前に、子どもはひとりの尊厳ある存在である。
・子どもはもともと力のある存在。こどもの理解力や適応力を信じる。  
・子どもの視点、選択を大切にし、そこに一緒に立つ。


【こども専門家アカデミーのこれから】
 近い将来の目標としては、現場のニーズを把握して専門家を相互に顔の見える関係にすることを課題にしています。インプットやイベントを行う東京とアクションにつなげアウトプットしていく茅ヶ崎との両方で活動していきたいと思います。

 遠い将来の目標は、日本のこどもにとどまらず、この仕組みをおとな・高齢者と世界へつないでいくこと。そもそも、しんどいときにがんばらなくていい社会や、がんばれる人がペイフォワードしやすい社会は人間全体の幸せにかかわるものです。高齢化社会の課題解決にもつながるし、今後、途上国が近代化していく中であるいは似たように直面していく問題だと思っています。将来の夢、として、いつも頭においているイメージです。


◇人むすびカフェ  ファシリテーター  角田 知行さん
人結びの場

 今日のお題は、「今日のお話を聞いて心が動いたところがどこですか?-言葉、夢、活動、交点―」

終了後のご感想を一部、紹介します。


・組織形成や合意形成にこだわるより志を持つ者が動くことで前に進む。
・無理してがんばらなくてもいい。でもがんばりたい時にはお互いにそれを応援できるような(子どもでも大人でも)ネットワークづくりが大切だ。
・地道にあきらめないでがんばっていいんだ!!と気づかされました。
・「専門性」を高めて実績を作りながら、余計なこともすることが大きな広がりに  なっていく。
・「がんばらなくてもいい」から拡がる未来のイメージ専門とその横断の大切さ。
・しんどい時こそがんばらないコミュニティをつくる
・「弱さもある」ということも共有していくこと継続して、しつこくあきらめずに。等


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