
第115回:「なぜ今『ティール組織』が求められるのか? ~次世代の組織モデルを訳書の解説者が語る」
2018年2月23日(金)午後7時から「ティール組織について知りたい」「訳書の解説者の話を聞きたい」と経営者、NPO代表、ビジネスパーソン、金融パーソン、美術館長、国家公務員、地方公務員、中小企業診断士、大学教員、高校教員、画家、団体職員、など39名が集い、対話しました。(感謝!)
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◆第115回:「なぜ今『ティール組織』が求められるのか? ~次世代の組織モデルを訳書の解説者が語る」
☆ゲストスピーチ
嘉村 賢州(かむら・けんしゅう)さん
<場とつながりラボhomes’vi 代表理事>
https://www.homes-vi.org/

「そろそろ組織も進化して良いのではないか?」と思っていました。
もともと、学生時代から住んで愛着のある京都を市民と対話のアプローチを使ってまちづくりをしてきました。徐々に組織開発の仕事にも取り組むようになりました。紛争解決の技術も試行錯誤してきましたが、企業が紛争状態と感じていました。吸収合併、組織がなくなったりします。ファシリテーションの可能性に魅せられて、「学習する組織」や「U理論」なども展開してきましたが「問題は個人ではなく、組織の構造に問題があるのでは?」という考え方に出会いました。いじめもメンタルヘルスも同じことに悩んでいます。自分の組織のことでも悩んでいました。次第に、「そもそも根本的にやり方が間違っているのでは?」という疑問がわき上がってきました。
仕事を半年休んで、海外に出て、『ティール』に出会いました。ワクワクしました。ギリシャで著者のラルーと仕事もしていた、クリスとジョージのギャザリングに参加し、新しい組織の息吹を感じました。参加者には、EU、GEなど大組織で働いていた人や組織コンサルタントもいました。
『ティール』は生命体型組織という意味で、海外ではそれで通っていますが、日本では売れないだろう、思っていましたが、英治出版の英断で、そのまま『ティール組織』で出版に至りました。
【ティール理論】
古代ギリシャのアリストテレスが「女性の歯は男性よりも少ない」と主張し、長い間信じられていました。「人間にはいくつの脳があるか?」という問いに対しては、現在科学では、脳が3つあることになっています。頭、胸、腸が自律分散的に動きます。腸の脳は1860年に発見されていましたが、忘れられていました。
インターネットの浸透は新しい世界観を生み出し、分散されたものが、ともに働くことがあり得るようになった発想で、『ティール』は現在の組織モデルの限界を感じ、組織と人々の協働に問いを立て、研究したものを理論化したものです。
1 組織モデルの歴史
過去と現在の組織モデルを発達段階で挙げると、
●『レッド』(衝動型)は、脅して動かす。トップの力によって群れるオオカミの群れのような組織。
●『アンバー』(順応型)は、ヒエラルキーのある組織。
●『オレンジ』(達成型)は、イノベーションや、効率化に対応した組織。能力主義が生まれた、現在の組織の6~8割はこの形態。
●『グリーン』(多元型)は、多様性と平等を重視するコミュニティ。働く人をメンバーやパートナーと呼ぶ。ゆるやかな意思決定なので、決まらない、動かない。メンバーで決まったことが、経営者により決定が覆されることも多い。
●『ティール』(進化型)は、100以上の具体例の事例研究から要素を見つけたものである。これは、信頼で結びつき、組織の進化の目的に沿って活動する。
2 3つのブレイクスルー
①セルフマネジメントー効果的に機能するために、仲間との関係性の中で動くシステム
②全体性-男性性と女性性、感情的と理性的、スピリチュアリティなど、自分をさらけ出して職場に来るような一貫性
③存在目的―中長期事業計画がなくても、組織がどうなりたいか、で変化していく。
3 ティール・マネジメント
正式な階層が存在しない中で、意思決定はどうなるのか?
これまでの意思決定は、「上司が決める」か、「会議にかける」でした。『ティール』では誰でもが意思決定できます。人を雇うことも給料も決めることができます。ただし、助言プロセスがあります。専門性がある人や影響ある人からアドバイスを求めることができます。
反対する人は、「反対説明責任」があります。妄想リスクはやめて、一緒に考え、仕組みも考えようとし、それぞれが責任を持って考えるようになります。
【事例紹介(オランダのビュートゾルフ/ヘルスケア)】
高齢者や病人の訪問医療を行う非営利組織。2004年に4人のナースからスタートし、現在7万人となる成長スピード。上司がいない。12名のチームで約50名を担当し、やれることは全部やりきる。オランダで顧客満足度ナンバー1の組織に急拡大。従業員満足度も全業種の中でナンバー1です。
最後に、現在の組織を『ティール組織』にすること目的にすると失敗します。組織に対して3つの問いかけをしていくことです。
①あなたはその組織で世界に何を実現したいのか。
②世界はその組織に何を求めているのか。
③あなたの組織がなかったら世界は何を失うのか。
◇人むすびカフェ ファシリテーター 角田 知行さん
今日のお題は、「『ティール』があなたに与えるインパクトは何ですか?」
様々な思い、アイデアが飛び交いました。
終了後のご感想を一部、紹介します。
・すでにティール的な取組みをされている方が多く、その方々のコメントからやり方よりも人間らしい在り方の追求が大事なのだと思いました。
・考えるのではなく“問う”、&アドバイスプロセス(専門性ある人・関係影響するにアドバイスを求めるルール)
・海外・ヨーロッパで流行っていることばは、「IKIGAI」何のために生きる?
・反対責任-建設的な信念を持った「否定」を行うことの大切さ
・「強み」だけではなく「弱み」をさらけ出し、信頼を生み出すこと
・組織の中で信頼できる人を見つけるのではなく、信頼関係をどう作るか?
・一人ひとりが(よく生きる)探究の旅路
・「成長」「育つ、GROW」ということば 「人を敬う」
・人間という生物の可能性と大きな時代の変わり目を改めて感じました。 等






