
◆第24回「デザインの力が社会システムを変える」
2010年6月29日(火)午後7時から第24回目の場がスタートしました。「デザインの力って何?どんな可能性が?」と興味を抱く大学教員、IT企業経営者、不動産会社研究者、空間設計プロデューサー、アートディレクター、環境問題研究家、中小企業診断士、ビジネスパーソン、金融パーソンなど17名の場となりました。(感謝!)
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◆第23回テーマ:「デザインの力が社会システムを変える」
☆ゲストスピーカー (30分)
玉田 俊郎さん(たまだ としろうさん)(東京造形大学 教授、一般社団法人日本デザインマネジメント協会 専務理事)
中山 司さん(同 事務局長)
21世紀に入り、さまざまなレベルでパラダイム・シフトが起こっています。デザインマネジメントは、デザインの有効性を再構築し、社会的価値の提案をしていくことです。社会構造の変化に社会的ニーズを捉え、生活の中に実現していき、社会システムをデザインすること、この思考と実践を追及することが必要です。
自己実現を求める時代においては、形よりも経験・イメージが大事になります。デザイン分野は、ユニバーサルデザインやインタラクションデザイン、サスティナブルデザインなど拡張していき、価値を創出しています。
私たちは、デザインマネジメントは、拡張するデザイン概念や機能、役割を、社会・産業・生活に適用し、社会にイノベーションをもたらす方法論であり、実践と考えています。
6つの戦略課題があります。①分野や組織を超えた水平的連携の必要性、②産業、環境、地域文化の融合による新たな経済価値の創造、③インタンジブル(無形)な資源、資産の表現と活用、④開かれた社会と地域に向けた情報発信と連携、⑤デザインマネジメントエキスパートの人材育成、⑥共感と共創のネットワークの構築、です。
デザインの特質はインタンジブルなものをタンジブル化(視覚化)することです。 歴史・伝統・想いのような暗黙知をいかに具象化しコミュニケーションしていくか、がブランド価値を左右します。伝え方が大事で、それにより社会システムが作られてきました。
これからの社会イノベーションを私たちが考える時代が来ました。 デザインの持つ創造性。異分野を結ぶ学際性、問題解決に向けたイメージングと表象力を最大限に使ってイノベーションを図っていきます。
日本デザインマネジメント協会では、個性と多様性の相互理解を実現し、グローバルなテーマと調和する社会システムの構築が必要と考え、「社会イノベーション」「経営イノベーション」「デザインイノベーション」「教育イノベーション」に取り組みます。
まずは、7月31日に、東京ミッドタウンで、「社会イノベーションを触発するデザイン力」をテーマに協会の設立記念フォーラムを開催します。
今後、さまざまな場をつくることや、調査研究、出版、委託事業などを通じて、デザインマネジメントの裾野を広げていきたいです。
◎ 人むすびカフェ ファシリテーター:角田 知行さん
「人むすびカフェ」は、ワールド・カフェの手法を用いて、ひとつのテーマから連想されるアイデアを出し合い、初めての方とでも楽しく話し合いをしています。
テーブルを回っていくことにより、多くの人と対話を深められます。
今回のお題は、「成功することが保証されているとしたら、あなたはデザインの力で社会の“何”を変えていきたいですか?」
・デザインが心に訴えかけえる存在になりうる。それによって社会が変わる。変えられる可能性がある。
・デザインが自分の潜在的なボキャブラリー(思想を含む)を変える力があるのかもしれないということ。
・人と人との関係を変えていくことをデザインする。
・「社会を変える」という考えを「変える」ことがデザインの力
・社会デザインで橋をかける 幸福になるためにデザインを活用 など
◎ 最後に今日の気づき、キーワードを感想に残し、懇親会に向かいました。