
第78回:「ソーシャルビジネスを、本当の事業に。」
2015年1月16日(金)午後7時から「ソーシャルビジネスを本当の事業にするには?」「安部さんの活動を知りたい!」「応援したい!」と思う団体職員、NPO代表・職員、自治体職員、経営コンサルタント、ジャーナリスト、ビジネスパーソン、研究者など22名の場づくり人が集い、対話しました。(感謝!)
◆第78回:「ソーシャルビジネスを、本当の事業に。 ~トップランナーが京都に集まり議論した『R-SIC』の成果」
☆ゲストスピーチ&質疑応答
安部 敏樹(あべ・としき)さん (一般社団法人リディラバ 代表理事)

第一声は、「マグロ漁師の安部です!」1987年生まれの27歳。複雑系・脳神経学・社会の意思決定の研究者。東京大学で最年少で「社会変革のためのチームビルディング」の授業をしています。
【リディバラのコンセプト】
社会問題はなぜ解決しないのか?なぜ、同じような問題が繰り返されるのか。
それには、①「関心の壁」・・・興味がない、②「情報の壁」・・・見えないものは解決できない、③「現場の壁」・・・関与の仕方がわからない、という3つの壁があるからではないか。
それなら、みんなが社会問題に関心を持つことが一番大切ではないか。
2009年にみんなが社会問題をツアーにして発信・共有するプラットフォーム「リディラ バ」を設立。社会課題を「スタディツアー」や社会問題を発信するメディア 「TRAPRO」などを通じて、今は、600人以上の運営委員とともに、誰もが社会問題に触れやすい環境づくりの企画や運営を進めています。
「公共性がある人がモテる社会を」をつくりたいと思っています。
【リディバラの活動】
僕たちは「現場への道路をつくるのが仕事」だと思っています。 社会問題への関心を喚起するための「スタディツアー」が主な事業です。
僕たちの役割は、ツアーを作る仕組みを提供すること。ユーザーがそれを活用して、自分の興味によって「鹿肉を食べながら!?獣害と環境保全について考える」「クリーンエネルギーを学ぶ」「まちづくりの先進事例を現場で学ぶ」「耕作放棄地で自然と向き合う」など、多様なツアーを自由に作っています。
これまで60以上の社会問題のテーマで、2000人以上を現場に送ってきました。
修学旅行を「現場に学ぶ教育」にしたり、企業の社員研修で「社会課題の現場から事業立案」することでも活用してもらっています。
リディバラは、ビジネスモデルの社会性と事業性が高く評価され、数々の受賞をいただいてます。(総務省NICT起業家甲子園 優勝、キャンパスベンチャーグランプリ東京ビジネス部門優秀賞、ビジコン奈良ベンチャー部門 トップ賞・観客賞・優秀賞等)
【R-SICの成果】
ソーシャルビジネスや社会的事業に取り組む社会的事業のプレイヤーが2014年12月11、 12日、京都に集まって、カンファレンス「R-SIC(Ridilover Social Issue Conference・アールシック)」を開きました。http://ridilover.jp/R-SIC/
市民活動がNPO法人化して増えてきたが、淘汰の仕組みが機能せず、マネジメント力不足や人的資源の固定化が起こったり、「社会課題解決型の事業」のための人材やお金が回らなかったりします。
課題解決を行うプレイヤーであるNPOや企業がどのように継続性を持ち、マネジメントしていくか、ということには課題があります。
各分野のトップランナーによる事業経営のノウハウや苦悩を、次の社会的事業の担い手になっていく人々に伝えていきたかったのです。
具体的には、オリンピックと社会課題解決の契機を探るセッションや、新しいプレイヤーの事業を発掘していくCross Point、そして日常を離れる京都での2日間の滞在から特徴的な議論を展開しました。
今後、人・関心・注目度を高めることが重要です。
①ツアーを見直して事業化
②リディバラのハイエンドコミュニティとして成立
③地域開発の手法への拡張
④社会的上場、投資への一歩
⑤ソーシャルビジネスの種から大輪の花までをシームレスに支援
ここから社会を変える繋がり・コミュニティをつくり、流れをつくって、学びながら楽しむことが普通のことにしていきたいと思います!
◇人むすびカフェ ファシリテーター 角田知行さん
今日のお題は、「個人の関心と社会の関心の間には何がありますか?何が欲しいですか?」 ご感想を一部、紹介します。
・「暗く」「重たい」社会課題を「明るい」スタディツアーにしたことが素敵
・インセンティブも大切だということ(安部さんは広義なモテ)と語っていた。モテ=自分自身の存在を感じられということ
・社会を自分ゴトにするには体験=体で感じることが必要
・個人の関心を広げるには楽しむこと、共有すること。
・脱インターネット(ネットを捨て、街に出よう)
・体験は買う時代 喜怒哀楽・インセンティブが動機になる 等



